夕凪
圭介は思った通り友達の多い人だった。
チャイムが鳴り担任が帰りの挨拶をすると、彼は沢山の人と言葉を交わしながら教室を出ていく。
そんな姿を私はボーッと見ていた。
「茉咲。帰ろ♪」
気付けば杏と里奈が私の席まで来ていた。
『あ、帰ろ帰ろ!』
私はバタバタと机の上に散らばった物をかき集め、カバンに詰め込む。
「なんか、仲良さそうだったじゃん?」
里奈がニヤニヤしながら肘で私をつつく。
『あぁ、なんかそんなんじゃないよ。仲良くはなれそうだけどね。』