夕凪

「俺、嬉しいよ。」

颯太は圭介の肩を叩くと、緊張が溶けたかのように笑顔を見せる。

皆も自然に笑顔になった。


2人の決断は簡単なことではなかった。

私たちはまだ高校生で、親に頼らなければ子供を養うこともできない。

子供が子供を育てるのかと、世間の人には言われてしまうのかもしれない。

だけど、私も皆も2人の決断は素直に嬉しかった。


容易いことではないけれど、頑張ろうとする2人を応援しない理由がなかったんだ。
< 121 / 148 >

この作品をシェア

pagetop