夕凪
「彼氏とうまくいってる?」
涼は気まずそうに、私の顔色を伺いながら尋ねた。
『うん。なんで?』
咄嗟についた嘘。
私はあまり人に相談をするタイプではなかった。
説明も面倒だし、最後は自分で決めること。
いつもそうだったから咄嗟に私は涼に嘘をついた。
「…いや。最近よく俺らと遊んでるから、どうなのかなって思って。」
私が言葉を発する前に彼は喋り出す。
「うまくいってるなら良かった。じゃ、また明日!」
彼は自転車にまたがると手を振りながら暗闇に消えて行った。