夕凪


涼の行動を不思議に思いながら、自転車を停めようと家の方に体を向けると、人影がある。





すぐに悠斗だと分かった。




「おかえり。」

『どうしたの?』

「電話、繋がらなかったから。」


そう言われて携帯の充電が切れていたことを思い出した。


『ごめん、充電切れてて。』


「うん、いいよ。ちょっと心配になっただけ。」



彼は私を抱き寄せると、心のないキスをして何も言わずに帰っていった。
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