夕凪

―愛慕―




―――12月―――


もうすぐ学校は冬休みになる。

あれから私は、また悠斗の家に行くことが増えた。

杏と圭介が学校を辞めてからは、皆が集まることは減ったけれど颯太と悟は相変わらず毎日のように顔を出す。


今日も私は悠斗の家に居た。


『…アイス食べたい。』


「は?こんな寒いのに!?」

颯太は、こたつ布団を肩までかけて私を睨み付ける。

『こたつに入りながら食べるアイスが最高。』

「あー。それ分かる。」

「俺も好き。」


悠斗と悟はニヤニヤと颯太を見つめる。


「なんだよ?」


『「そうちゃん、買ってきて。」』


3人の声が揃うと、颯太はこたつに潜り込む。


「無理。俺いらないし。」

『じゃあ、じゃんけんしよ。』

「やだ。」

「じゃんけんしない人は買ってくるのね。
じゃんけーん……」


「わーわー!やる!!」
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