夕凪

悟は不思議なオーラを出す人だ。

なんとなくだけど、近寄り難い何を考えているのか分からない人。

こうして2人で話すのは珍しいことだった。

いつも、圭介や杏や里奈がいるときにしか話したことはない。


「あいつ、杏が好きなんだよ。」

圭介が杏を……

『え―――――!?でも、そんなに仲良くないよね??』

いつも一緒にはいるけど、あの2人がそんなに親密な仲だとは思えなかった。

「だから、27日に茉咲が来ないと気まずいんでしょ。」

『あー、そういうことね。へぇ。圭介が杏をねぇ。』

悟と話していると杏と里奈が教室に入ってきた。

「おはよ。」

『おはよ。』

「何ニヤニヤしてんの?」

携帯を片手に里奈がすかさず突っ込む。

< 18 / 148 >

この作品をシェア

pagetop