夕凪
悟は不思議なオーラを出す人だ。
なんとなくだけど、近寄り難い何を考えているのか分からない人。
こうして2人で話すのは珍しいことだった。
いつも、圭介や杏や里奈がいるときにしか話したことはない。
「あいつ、杏が好きなんだよ。」
圭介が杏を……
『え―――――!?でも、そんなに仲良くないよね??』
いつも一緒にはいるけど、あの2人がそんなに親密な仲だとは思えなかった。
「だから、27日に茉咲が来ないと気まずいんでしょ。」
『あー、そういうことね。へぇ。圭介が杏をねぇ。』
悟と話していると杏と里奈が教室に入ってきた。
「おはよ。」
『おはよ。』
「何ニヤニヤしてんの?」
携帯を片手に里奈がすかさず突っ込む。