夕凪
第一章

―入学式―

"あぁ。早く終わればいいのに。"

体育館に1歩足を踏み入れた瞬間に思った。

受験すらする気のなかった高校。

特に夢もなかった私は、消去法でこの学校を選んだ。

"高校だけは出ておけ"

両親と担任にそう言われ、渋々受験した高校。

勉強は嫌いじゃない。
友達といるのは好き。
群れて行動するのも嫌いじゃない。

只、なんとなく行く気はなかった。

行く理由もなければ、行かない理由もなかった。

そして、皆の説得により受験が決定。

流されるがまま、私は高校生になった。
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