夕凪

「とりあえず飲も!お前らが変な空気にするから皆酔い覚めちゃったよ!」

圭介が慌てて私の分のお酒を作り出す。

「あ、茉咲。これが颯太。こっちが悠斗。
茉咲ね。」

圭介はそれぞれを指差して言った。

「…何、茉咲?」

彼は圭介に質問する。

「名字?えーと、…なんだっけ?お前の名字。」

クラスメイトをフルネームで言えないなんて呆れる。
ましてや隣の席なのに。

『緒方です。』

圭介を睨みながら言った。

「あぁ、そうだった!いつも茉咲って呼んでたから忘れてたよ!」

圭介は頭をかきながら私の前にお酒を置いた。

「はいはい、乾杯ね~。かんぱーい♪」

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