夕凪

「眠い?」

ある程度ゴミをまとめると、彼はタバコに火をつけた。

『ううん、あんまり。外行って酔いも覚めたし。』

「うん、俺も。」


彼はニコニコしながら携帯電話を出して何かを書き始めた。

そのメモを私に渡す。

「嫌じゃなかったら連絡ちょうだい。」

丸っこい字で、携帯の番号とアドレスが書いてあった。

『赤外線すれば良いじゃん。』

笑いながら答えると、彼もまた笑いながら話す。

「あんなこと言って、番号聞いて、茉咲ちゃんは嫌なのに俺からガンガン連絡きたら最悪じゃない?だから、嫌じゃなかったら連絡ちょうだい。」

彼の優しさに思わず笑顔になった。

連絡しないわけがないのに。

だけど、一応その場は受け入れないと彼の気が収まらないだろう。


『わかった。ありがとう。』


私はメモを受け取ると、大切に手帳にはさんだ。
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