夕凪

―ひとりぼっち―


その日の夜、部屋でテレビを見ているとベットの上に放置された携帯電話が震えた。

画面を見ると
"工藤圭介"
の文字が写し出されていた。

私は一瞬顔をしかめて通話ボタンを押す。

『もしもし。』

「なぁ、あれ何?お前ら知り合いなの?」

すぐに悠斗くんとのことだと分かった。

『…いや、違うよ。』

「じゃあ、何??一目惚れか?」

受話器越しに聞こえてくる声で、圭介がニヤついていることが分かる。

『さぁ。なんだろうね。』

面倒に思った私は適当に答える。

「だって、夜中もお前ら2人でどっか行ったじゃん。」

『そうだねぇ。』

私の態度に圭介は苛立ち始める。

「まさか、もう付き合ったのか!?」

『んなわけないし。』

「ふーん。俺、あんな悠斗初めて見た。」

その言葉に、適当な態度を取っていた私が反応する。
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