夕凪
『なんで?どうゆう意味?』
いきなり話に食い付いた私の反応に圭介は動揺した。
「あー…なんか、昔から好きな人とかいなかったし…付き合ったりはしてたけど、好きじゃなかったみたい。あんま女の子に自分から話しかけねーから。」
そこまで言うと圭介は口を閉ざした。
『そうなんだ。まぁ、なんかよく分かんないんだけどねー…。』
「番号交換した?」
『あ、一方的に教えられた。嫌じゃなかったら連絡してって。』
「へぇ。まぁ、良い奴だからメールぐらいしてあげなよ。」
『そだね。あんたの話が終わったらメールしてみるよ。どうしたの?』
電話が来た時点で圭介の相談だということくらい分かっていた。
圭介は嬉しそうに喋り出す。
「いやぁ、杏可愛いよね。」
『うん、可愛いよね。』
「うんうん。」
『そんだけ!?』
相談をされると思っていた私は拍子抜けする。