夕凪
振り返ると背の高い綺麗な女の子がいる。

『杏!』

"杉浦杏"
小学校からの友人。
この学校を受験した理由の半分くらいは、杏がいるからだったかもしれない。

特に行く気もなかったから、仲良しの友達がいた方が良い。
それくらいの安易な考えだ。


「まさきー!同じクラスだよ♪」

『まじっ!?』


さっきまで全くと言って良い程興味のなかったクラス分けの用紙をポケットから取り出す。

紙は可哀想なくらいクシャクシャになっていた。

それを指で伸ばしながら杏に話しかける。

『里奈は?一緒??』
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