夕凪



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ねぇ、悠斗。

あの日、あなたが涙を流したこと知っていたよ。

きっと、男の子だから友達には弱音を吐けなくて。

家に帰ればひとりぼっちで。

寂しかったんだね。


あの日、あなたを抱き締めながら
"私がいるよ"
そうテレパシーを送っていたんだ。

笑わないでね、本気で思っていたんだから。


この想いが届きますように。

強く、強く抱き締めたんだ。


彼に幸せな道を。


そう願わずにはいられない。


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