夕凪
玄関に入ると、里奈のサンダルがある。
『おじゃましまーす。』
今日は誰もいないようだ。
階段を上り、杏の部屋に入る。
可愛いらしい赤と白で統一された部屋。
部屋には杏と里奈がいた。
『里奈も早かったんだ。』
そう言うと里奈はニヤニヤと奇妙な笑みを浮かべる。
杏に視線を移すと恥ずかしそうに視線をずらす。
『どうしたの?』
「あのねー…」
「待って!あたしが言う!」
里奈の言葉を遮り、杏が私の顔を見た。