夕凪
「あのね、あたし入学してすぐくらいから、圭介のこといいなって思ってて…」
『え――――――!』
自分でも驚く程大きな声を出した。
だから里奈がニヤニヤしていたんだ。
「でも、あたし茉咲と圭介が仲良いから茉咲も好きなのかと思ってて言えなかったの。で、今日里奈に早く来てもらって相談してて。」
そこまで話すと杏は顔を真っ赤にした。
『あたしが圭介のこと好きなわけないじゃん。』
笑いながら否定すると里奈が言葉を続ける。
「ほら。ただ仲良いだけじゃん。」
杏は2人の顔を交互に見ると恥ずかしそうに笑った。
「うん、勘違いしてて。正直、この前茉咲と悠斗くん見てほっとしたっていうか…。」
「あぁ!茉咲はどうなったの!?」
里奈はお菓子を食べながら私を見る。