夕凪

火がなかなか着かなくて、結局バーベキューをしだしたのは3時過ぎ。

食べ終わると、もう日が傾いていた。

いつの間にか元気になった圭介はビニール袋から花火を取り出して袋を破いていた。

『まだ早くない?』

海の上にはオレンジ色の太陽が浮かんでいて、まだ空を輝かせていた。

「いいんだよ。」

『夜までになくなっちゃうよ。』

「そしたらまた買いに行くんだよ。」

圭介は強引に花火を始めた。
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