夕凪

空が暗くなる前に、当たり前のように花火はなくなった。

『圭介買いに行ってよー。』

「そうだよー。」

私の言葉に里奈が続く。

「じゃあ、じゃんけんで負けた奴と俺ね。」

杏と行きたいのだろう。

圭介の作戦は手にとるように分かる。

『はいはい。じゃあ、じゃんけんしよー。』
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