夕凪

『うわ。』


皆がグー。私がチョキ。
一発負けだ。

圭介は不服そうに私を睨み付ける。

故意でやったわけじゃないのに。

仕方なく圭介と近くのコンビニまで行くことにした。


皆から離れると圭介が喋り出す。

「なんでお前なんだよ。」

『あたしだってやだよ。』

2人で文句を言い合っていると、後ろから足音が聞こえた。

圭介と同時に振り向くと、悠斗くんと杏がいた。

「圭介。俺、茉咲ちゃん借りたいから杏ちゃん連れてって。」

それを聞いて、圭介は色々な意味でニヤリと笑った。

「おー、わかった。」

されるがままに私は悠斗くんと、杏は圭介と反対方向に歩く。
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