夕凪
皆の元へ戻ると、まだ圭介と杏は戻っていなかった。
「あー!手ぇ繋いでる!」
里奈の声に、悟と颯太くんもこちらを見た。
「付き合ったの?」
悟はいつもの淡々とした口調で話しかける。
「うん。」
悠斗くんが嬉しそうに繋いでいる手を見せた。
悟は微かに笑うと、頷いて花火を片付け続けた。
里奈と颯太くんは
「おめでとう。」
「良かったね。」
と祝福の言葉をくれる。
『圭介と杏は?まだなの?』
「あー、遅いね。もうこんな時間だし帰る?」
『平気かな?』
「花火買ってきてたら、また別の日にやれば良いじゃん。」
颯太くんの言葉で、皆も片付けを始めた。