夕凪




今日は早くからずっと海にいて、疲れたんだろう。

あの後、他愛もない話をしているうちに2人ともリビングで眠っていた。

蒸し暑くて目が覚めると、私の右手を彼の左手がギュッと握っている。

思わず顔がほころんだ。

右手を離さないまま、上体を動かし時計を見ると朝の7時だった。

今日は夕方からバイト。

それまでゆっくりしていれば良い。

私は彼の寝顔を見ながら、またウトウトとしていた。

頬の辺りに涙の跡があった気がする。

それに触れようと頬に手を当てたとき、
彼が目を覚まして私の頭を自分の胸に引き寄せたから、
曖昧なのだけれど。
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