夕凪
再びリビングのドアが開くと、圭介が先に入って来る。
「うわっ!!何でいんの!?」
扉を開くなり私の存在に驚きを隠せない圭介。
彼は昨日、杏と消えた為私たちが付き合ったことは知らない。
「付き合ったからだよ。」
悠斗くんが珍しく機嫌が悪そうな声で答えた。
「え――――――!?いつ!?昨日!?何で!?お前こいつでいいの!?この女は優しさの欠片もないぞ!?」
大騒ぎする圭介に背を向けたまま、彼は冷蔵庫から缶コーヒーを2つ取り出し、1つ私に渡すともう1つを開けて飲み出す。
「うるさい。」
そう言い放つと彼はテレビをつけてソファーに寝転んだ。