夕凪


夏休みも半分以上が過ぎて、私たちは学校で文化祭の準備をしていた。


あれから、杏と圭介は1度遊びに行き自分の気持ちを抑えきれなくなった圭介が告白をした。

もちろん返事はOKで、2人は付き合うことになった。

幸せそうな2人を祝福しつつも、面白く思わない人間は1人。

里奈だけが文句を言っていた。

「2人とも彼氏いていいなー。」

里奈はモテないわけじゃない。

可愛いし、優しい子だけれど外見の派手さから学校では近寄りがたい存在になっている。


「好きな人いないの?」


「いない。」


里奈は拗ねたように答えた。
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