夕凪


―――――――――――――――

ねぇ、悠斗。




" 1人は寂しい "


あなたがそう弱音を吐いたことを忘れていなかった。

いや、忘れられなかったんだと思う。

こんなに広い家に
「ただいま」
と言うあなたを。


どうして1人で暮らすことになったのかは聞けずにいたんだ。

あなたから話してくれるのを待っていたから。


愛されることを知らないあなたを、私は上手く愛せていたでしょうか。


もう答えを聞くことはできないけれど、私は
今も、これからも同じ気持ちでいるでしょう。

きっと、ずっと
あなたを愛するでしょう。



―――――――――――――――
< 80 / 148 >

この作品をシェア

pagetop