夕凪
第二章

―隼斗―



文化祭当日。

私のクラスはタコヤキを売っていた。

せっせと汗をかきながらタコヤキを焼く圭介の後ろには、座って失敗作を食べる悟と里奈。

私は家から持ってきていたビデオを回していた。

文化祭の準備でクラスも仲良くなり、みんな楽しそうにしている。


今日は悠斗くんが颯太くんと一緒に文化祭へ来るから朝から楽しみで、私は何度も携帯を開いては彼からの連絡を待っていた。


" 1時くらいに行く。"

昨日の夜そう言っていたのに、2時をすぎても2人は現れなかった。


電話をしてみても圏外。


「悠斗と颯太は?」

圭介が首にまいたタオルで汗を拭きながら尋ねてきた。


『電話、繋がらないんだよね。』


そう言ったときに、遠くから颯太くんが走ってくる姿が見えた。


なんとなく、嫌な予感がしたんだ。


私のビデオは、そこで途切れていた。
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