夕凪

2人並んでペダルをこいでいると、颯太くんが気まずそうな顔をして私の顔を伺う。


『どうしたの?』


「…いやぁ、茉咲ちゃんさ、悠斗の家族の話とか聞いた?」


あぁ、さっき顔を曇らせたのはそれが理由かと気が付く。


『…うん。でも、ホントに少ししか聞いてない。』


「兄ちゃんがいるのは?」


『知ってるよ。』


「今、病院に悠斗の兄ちゃんもいるんだ。」

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