夕凪


「少し話そう。」


そう言われて病院の外にあるベンチに腰をおろした。


「茉咲ちゃん、悠斗を好き?」

『はい。』

何の迷いもなく答えると、隼斗くんは彼と同じ顔で笑う。


「悠斗、1人で暮らしてるでしょ。あれね、俺のせいなんだ。」


隼斗くんはタバコに火を着けると白い煙を空へ吐き出した。

< 89 / 148 >

この作品をシェア

pagetop