夕凪


「どうしてボクの左側には、いつも憎らしい顔があるのだろう。」


圭介は黒板を見つめながら溜め息をついた。


その左側の私も、わざと大きな溜め息をつく。


『あたしだって好きでいるわけじゃないんですが。』



1年生のとき、何度席替えをしても圭介と隣になった。


今日から2年生。


やっと離れられると2人で喜びながらクラス発表の用紙を見ると、



同じクラス。


そして教室に行けば隣の席。


"腐れ縁"てやつでしょうか。
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