ピンクの海と紫な空
『あの……』

『あ、バイクは大丈夫だよ!!朝返せばいーよ!きっと!』
きっとかよ!

『あ…じゃ…なんか…裏回してきます……』


俺はバイクの所に戻って店長に一応電話をした


『もしもし店長?』

『あ桃谷ー?みんなもー帰ったから売上明日持ってきてくれよーよろしくな!俺ももー店でたし』


『え゛!?』


『つーことでっ』

と電話が切れた…


おい…まっいっか……

俺のバイトしてるピザ屋はチェーン店では無くてこじんまりしたジャンクフード店…
こゆ事は……珍しくない…

適当な店…なんか店長はアメリカかぶれだし、いきなり1ヶ月とか居なくなるし…


テケトーな店…


『はぁ…』

俺はため息をついてマンションの裏にバイクを止めて、荷物を持ってユメの部屋に戻った


『おかえりっ』


『あの…』


『着替えなよ!あ、お風呂入る?お風呂沸かすね!あ、何飲む?ビール飲む?あ、ビールはお風呂上がりがいっか!あ、てかまだ未成年か?でも平気だよね?』


………


『ユメちゃんて何歳?』

俺はお風呂が沸くまでの間、ウチの店の食べなれたピザを食べながら聞いた



『ん?今年21』

結構いってんだな……

『あ!いまオバサンとか思ったでしょー?まだ20だからね!後半年以上誕生日先だし!』
必死の若さアピール


『大学生かなんか?』


『ん〜?うぅん』


『彼氏とかいないの?』


『えっ?うん居ないよ?』

一瞬動揺したみたいに見えたけど…気のせいと思う…

ピザ一人で頼む位だし…



ピピッピピッピピッ


『あ、お風呂湧いたよ!』
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