ピンクの海と紫な空
ユメちゃんいるかな…

オートロックの番号を押す指が若干震えている


ピッピッピッ

[呼出]

ピーンポーン…

…………

出てこない


学校かなぁ…


番号聞いておけば良かった

仕方なく俺はカバンからルーズリーフの切れ端に手紙を書いた

――――――――――――――ユメちゃんへ


俺の番号とアドレスです

060-1234-5678

mom.rei@yayachaso.ne.jp


レイより
――――――――――――――

ポストに入れて渋々家に帰った




『ただいまー…』


『あ、あんた学校サボったの?』

今年大学三年になった姉
花音[カノン]

口うるさい、派手なフリフリ、最近よくいるディアマンテとか言うバカ高い服をこよなく愛している女

今日も髪を巻いて盛って盛って…まるでどこまでが頭かわからんし、爪はコテコテスカルプチュアをつけてる
爪に薔薇とらついた手で作ったごはんなんか食べたくないよね


まぁ、家事なんか一切しないけどね。


『ねーちゃん学校は?』

『今日午後授業無いもん。てか夜からサークルの飲み会だし』
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