君はここにいる



「ご、ごめんなさい、梔君!」


一緒に拾いながら、その中に零次についての資料を見つけて泉先生は顔を青くする
泉先生の周りを漂っていた布も感情が電波するのか、しおしおと項垂れていた
それを見て更に可笑しげに灰原は口角を上げている

かなりの意地悪のようだ


「転校生、俺は保健医の灰原紫煙(はいばらしえん)だ」


知的な容貌に白衣
科学の教師にもみえたが、言われてみればそれらしい


「よろしくお願いします」

「ふーん………お前変わってんな」

「えっ?」

「いや、お前のクラスは曲者が多いからな。俺との付き合いも増えると思って」


保健医との付き合いが増えるとはどういうことだろうか?
それを聞く前にヒラヒラと手をふって灰原先生は行ってしまった


「それじゃあ梔君!学園のこと色々説明するからね」

「えっ、授業はいいんですか?」


零次の手を引いて学園案内の体勢に入った泉に問えばニッコリと良い笑みが返ってきた


「だーいじょうぶ!」


ぐっと親指を立てられても散らばった資料が視界に入れば不安は消えない






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