君はここにいる
軽く手を吹いていると零次は違和感に気づく
違和感と言えば初めて来た場所は最初から違和感だらけだったがそれとは少し違う
「え?………なっ何か?」
「梔君………?今のは君の能力なの?」
泉は大きな瞳を瞬かせる
驚いている
それは先生だけではなかった
「お前今、何したんや!?ボクの式消したやろ!」
顔に星マークの少年が立ち上がって目をむいた
「シキ?なんだ?今のあんたの仕業か、熱かったろ」
「お前こそどこの回しもんやねん!」
どちらかというと少女的な顔立ちの少年はバリバリの関西弁で怒鳴りながら睨み付けてくる
クスリ、と小バカにしたような笑い声が教室の隅から聞こえた
「わめくなよ、星野。お前のちゃちな呪い(まじない)なんてたかが知れてるだろ?」
「なんやと………?」
窓辺の机に腰掛けていた少年が嘲笑を隠そうともせずに皮肉を投げ掛ける
星野と呼ばれた少年は零次から視線をはずして低くすごんだ
「おーおー小鬼が偉そうに言うもんやな、シリウス!ボクの呪いは世界最高の芸術品やぞ!なめとったらいてまうど!」
「ハッ!一族のひよっこの分際で俺を消せるとでも思うのか?自殺願望があるならいつでも叶えてやる」
一触即発の空気を破ったのは彼女だった