君はここにいる



「キャーーー!今の何ですか?何ですか?」


歓喜の声をあげたのは一人の少女
星野とシリウスとかいう少年たちも目を鋭くしたままそちらを見た


「一瞬、呆けちゃいましたよー!詞葉も見ましたよね、よね?あのコが何をしたかわかりましたか?晴明君の式を消してしまいましたよ!」


小柄な女の子
クロブチの真ん丸なメガネにボブカットの髪
何故か興奮した面持ちで隣に座る女の子に話し掛けている


あんなに丸いメガネをどこで買ったのか?
そんなどうでも良い事を考えながら零次は最初から感じていた疑問を呟いた


「あのー………さっきから能力とからシキとかなんの事ですか?」


これには何故か唖然とした沈黙が返って来た
騒いでいた生徒にオロオロとしていた泉先生もキョトンとしている

むしろこっちがキョトンとしたい
この空気は零次の方が失言をしてしまったようだ


「梔君………君はこの学園のコトを知っていて来たのよね?」

「いえ。突然の転入でよくわからずに来たんですよ。あっやっぱり何かの天才が集まる学園なんですか?なら俺は場違い…………」


軽く笑ながらそんなことを言おうとすれば、星野少年がゆらりと立ち上がる
その姿は言葉を失うほどの覇気があった


「何もしらんやとぉ?」

「へ?」
「ふざけたことぬかすなや!この学園のことも知らんと転入なんてできるわけないやろ!」


まただ
また、当然のように不可思議なことが起こる
今度は確実に目に見える


「なっ!?」

「自分の力を証明してみい!」






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