君はここにいる
小首を傾げて輝夜は疑問を口にする
「響君の能力が通じないなんてあるのかしら?」
(星野の式を消してた)
輝夜の問いに答えたのはスケッチブック
いや、スケッチブックに文字を書いて皆に見せている少女
「確かに詞葉(ことは)のいうとうりです!彼は晴明君の式を消してました。つまり、響君の能力が効かなくても不思議はありませんね」
「どういうことや?」
「んもう!鈍いですね晴明君!事情を知らないことについてはあたしもわかりませんが、彼はレアな能力者だということですよ」
数瞬、考えて星野は顔をしかめた
「ハァ?そないな能力あり得るんか?」
透き通るような細工物のような顔を微笑ませて輝夜はゆったりと呟く
「あり得ないと言うのなら、私たちだってあり得ない存在じゃないかしら?」
「…………けどなぁ」
納得がいかない様子の星野を無視して操はフフフっと不気味な笑みを浮かべる
「『無効化』の能力なんて初めてお目にかかりました!彼がこれからクラスメイトだなんて…………うふふ、笑いが止まりませんね!」
怪しげな器具を手に持って、妖気?らしきものを小さな身体から発している様は異様の一言につきる
「操ちゃん?ホドホドにね?」
輝夜が軽くたしなめたが、操にそれが聞こえていたかは定かではない