ケチャップのないオムライス【短編】




「いいえ、大丈夫ですよ」



私は気を張って返事をした。







「ねぇ。



来週の日曜日、大輔の命日なの。



もし良ければ、墓参りに来てくれない?」






亜矢子さんの目はどこか寂しそうだったけど、真っ直ぐ鏡の中の私を見つめていた。



「はい」






私は即答だった。
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