ケチャップのないオムライス【短編】



「しゃーねぇな、手伝ってやろうか」


振り返ると、そこには帰ったはずの先輩がいた。




「先輩!なんでですか?」

「ばーか、もう俺はプライベートだっての」


頭に力の入っていない拳骨を受ける。


言葉の意味に気づいて、顔が熱くなるのが分かった。

先輩、いや彰くんは隣のデスクから椅子を引いてきて、
私の隣に座る。




そして、“これ食え”とコンビニの袋を差し出した。
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