ケチャップのないオムライス【短編】
「買ってきてくれたの?」
「腹減っただろ」
袋の中身は、おにぎり2個、チーカマ、チーちく、野菜スティック、
春雨ヌードル、緑茶2本が入っていた。
しかもおにぎりは私の好きな鮭と、彰くんの好きな昆布の具だ。
なんだ、ちゃっかり自分も腹ごしらえする気なんだ。
「彰くん、これ食べたい」
春雨ヌードルを手に取ると、彰くんに渡した。
「それはつまり、俺に作れって事か?」
うん、と頷くと彰くんは立ち上がってポットのある方へ歩いて行く。
“先輩”じゃなくて“彼氏”の彰くんに思わず笑みが零れた。