ケチャップのないオムライス【短編】
おにぎりも平らげて仕事をしている彰くんをしばらく見ていた。
なんだか、不思議な感覚。彼氏として、仕事してる。
ただパソコンのキーボードを打っているだけだけど、とても格好よく見えた。
緩む頬を押さえられないでいると、彰くんが立ち上がった。
「代われ」
「えー、もうちょっとやって欲しい」
「だーめ。俺も腹減ったの」
そう言って私を無理矢理パソコンの前に座らせる。
彰くんは私の座っていた椅子に腰かけておにぎりのパッケージを捲り始めた。