女子高生始めました。
俺が連れてかれたとこは、子ども達が遊び回る大きな公園やった。


ここまで、千紗は振り向かないまま早足で進んで来た。


立ち止まった今も、まだ背中を向けてる。


「なあ……っ」


息を整えながら、千紗はゆっくりと振り向いて睨みあげた。


「どういう事か、説明してくれる?
 いきなり別れよう言うたかと思ったら、何女装して寮にまで来てんの?」


まさに怒り心頭てのは、この事やと思った。


「違うんや、千紗……。
 寮に関しては、親に任せてたから全然知らんくて!
 それに、俺は別れたくなんかなかった!」
「は?」


俺は生徒の気配がないか確認して、千紗を植木の影に連れて行って事情を話した。
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