女子高生始めました。
てか、キモくないんか?


軽蔑してへんのんか?


なんで、触れてくれるん……?


「生きててくれて、ありがとう……」
「……っ!!」


俺にはもう、その言葉だけで充分やった。


家族からは寮に放り込まれ、好きな人や友達を失った。


絶望の夏やったのに、このたった一言だけで俺の心が救われる。


「千紗……」
「……っ、……っ」


千紗は泣きじゃくりながら、見上げた。
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