意地っ張りな親指姫
episode.01
可愛い女の子になりたいんです。
「じゃあ、次。佐伯。……ん? 佐伯姫芽、休みか?」
授業中。
クスクスとした笑い声がクラス中から漏れている。
「いないならーー」
「います! いますからぁ!」
あたしは耐えきれず勢いよく立ち上がった。
「おお、いたのか。見えなかった」
先生の一言に笑い声は大きくなる。
「お前もう少し前の席の方がいいんじゃないか? なんでそんな後ろにいるんだ」
「っーー!? 昨日、席替えしたからでしょー!!」