Loneliness



「あ、ああああの女っ!
ばらしやがった!!
あいつ、あいつ……っ。」


「何だ、どうしたんだ?」


「あいつ、俺の事を
王立騎士団にチクりやがったっ!!」



フェイルが叫んだ瞬間。



ばんっと音を立てて、貸家の扉が開き。
フェイルの躰が、地面に転がった。



屋根裏の隙間から確認する。
床に俯せに なって動かない
フェイルの背中には、
短剣が突き刺さっている。



ノックも無しに扉を開けたのは、
30人程の男達。



彼等の鎧と
フェイルの背中に突き刺さっている
短剣の柄には、
王立騎士団の印。



間違いない。



俺達は、殺される。



リティリーは腰の剣に手を掛ける。



「お前達は帝国のスパイだな?」



低く、どすの利いた声。
50歳くらいの男が、そう訊いた。
恐らく彼が団長だろう。

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