Loneliness



胸の奥が痛いような、
背筋が凍るような、
そんな感覚。



……辞めてくれ。



頼むから、
そんな瞳で俺を見ないでくれ。



情に訴え、
自分が思う通りに動かそうとしている、
その瞳。



俺は、その瞳が大嫌いなんだ。



感情なんて、棄てた筈だった。
希望なんて、壊した筈だった。



もう一生 見ないであろう あの人の、
涙が見えた気がした。



「…………っ。」



気が付くと俺は剣を手に、
屋根裏から飛び降りていた。



唯 躰が動くのに身を任せ、
王立騎士団の騎士の息の根を
止めて行く。



そうだよ。
感情なんか要らない。



人を殺すのに、
余計なものは要らないんだ。



次々と命を奪い、返り血を浴びる。

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