Loneliness
それでも
命と命の やり取りの中で考える。
俺は何の為に生きようとしている?
仮に王立騎士団から逃げられても、
たった1人で任務を熟すのだろうか。
10年前、育成所に編入する時に、
気付いた筈だ。
俺の足には常に鎖が付いていて。
俺の命は常に誰かの物だと。
自分の為には無いのだと。
大切な人の為に、
自由を棄てると決めたじゃないか。
感情も希望も、棄てたじゃないか。
それなら何故、
俺は こんなにも生に執着する?
何故、人の命を奪っている?
俺は……――。
目の前に居た20歳くらいの青年に、
剣を振り下ろす。
彼の目が、恐怖に見開かれた時。
「…………っ!」
背中に衝撃が走り、
俺は俯せに倒れた。