Loneliness
「それについての話は
また後で聞かせてくれ。
疲れている所 悪いが、次の仕事だ。」
1度 言葉を切って、
父さんは再び口を開いた。
「あの、スパイなんだがな。」
その言葉に脳裏に閃いたのは、
蒼い髪の青年。
「あれ以来、どれだけ拷問しても、
口を利かないんだ。」
父さんが向かっているのは
あのスパイの独房なんだと気付いた。
「だから刹那、お前に頼みたい。」
「解った。」
父さんの言葉に頷く。
そう、あたしの役目は、
囚人の口を割る事。
生まれ付きの容姿で誑かして、
一緒に寝て、
情報を得る。
それが、最果ての刑務所の
所長の娘の役割。
父さんが決めた訳じゃない。
唯あたしが そう決めて、
そう してるだけ。