呪信メール
「恵理子ちゃん」


美知の母親に名前を呼ばれて、恵理子はハンカチで涙を拭いながら振り向いた。




「これ……誰のだか知らない?」



「え?」



見ると美知の母の手には、携帯電話が握られている。



「リビングのテーブルの下に転がってたんだけど」



そう言いながら差し出された携帯電話を、恵理子は黙ったまま受け取った。
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