呪信メール
長い黒髪の女。



あの携帯電話に触れていないのに、線路の真ん中で這いつくばり、恵理子の足首を掴んでいる女の霊が、若菜には見えていたのだ。



電車が通過し、恵理子の姿が消えた後も、女の霊は消えなかった。




ゆっくりと……





ゆっくりと、女の霊は若菜の方に近づいて来たのである。
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