ホテル
●背中

    ●背中


先輩が、上下運動を繰り返す。


きつくて痛くて不自由で………ウチは、先輩に強く抱きついているだけで、一杯一杯やった。


動きもだんだんと激しくなり……ドンドンってお腹にも響く……と先輩が………


「うううっ………」



と、口から小さなかすれ声が……。


これが…これが…
皆が言ってた………



イッタ……ってサイン?


先輩の動きは、急ブレーキ踏んだように止まった。



筒から物体が抜けていく……でも……抜けた後も……まだ入ってる感じがして……。


先輩の体がウチから離れた?


ウチの目に映るは、平らな小麦色の肌…………これって背中?


タバコに火を点ける音がして………。


  何で……背中?


ウチに背中向けてるん?



事が終わった安心感と……視界に入る背中の淋しさが………
混ざって交ざって……
ウチの心は渦を巻く。




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