ホテル


肩にかけていたスクールバッグがするりと落ちて……握りしめていたケータイも下に落としてしまった。



目の前が……曇って見えへんよ……。


涙が邪魔して、大好きな先輩の顔がぼやけてる………。


何か言わな……何か話さな……震える心をおさえ……ウチは小さな言葉を出した。



「ウチで……ほんまにええの?」



先輩が近づいて来て……ウチを抱きしめた。


「お前がええんや……」



キンコンカンコ~ン
 キンコンカンコ~ン   キンコンカンコ~ン



6時限目終了のチャイムが鳴った。


ウチは……今…先輩の胸の中………。




       END

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