蒼の光 × 紫の翼【完】
「は、は、はっくしゅ!」



わたしは自分の盛大なくしゃみで飛び起きた。



「うう……さむっ……」



わたしは両腕で自分を抱きながら身体を起こした。



「……えっ……」



わたしの目に飛び込んで来たのは、白。

前も後ろも右も左も上も下も。

全部白。



「な、なんで?どうして?」



白い物体の正体はなんと雪。開いた口からは霧吹きのような息が、漏れ出ては目の前を上っていく。それが現実を物語っていた。


確かわたしはベッドで寝ていたはず。それに夏だからこんな薄着だし。

あ、は、歯が……ガチガチしてきている。身体も震えが止まらない。

それに、雪がどんどんわたしに降り積もってきていた。ここは山みたいだし、人が通りそうもない。助けは来ないだろう……。

こんな知らない変なところで死んじゃうのかな……。訳もわからずに……。もう、だめ……。



わたしは背を後ろの木に預けて、意識を手離した。

僅かに地面が震動したように思えたけれど──





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