蒼の光 × 紫の翼【完】
ここは『ケルビン』って言う国で、わたしたちがいるところは首都の『センタル』。主に山しかないんだって。
首都がなぜ山ばかりかと言うと、敵に攻めこまれないようにするため。争い事は珍しくないそうだ。
年中寒いし雪もしょっちゅう降っているから、格好の隠れ蓑になる。
もっと南に行けば、海だってあるし季節もはっきりとしている。花も咲きみだれているそうだ。
このケルビンは比較的豊かで大きい国なため、生活に不自由している人は少ない。けれど、どの世界にも闇があるらしく、孤児というのは珍しくないらしい。
調子に乗っている大人は多く、望まれずに生まれてきてしまった子供は後をたたない。母子家庭も少なからずあるようだ。わたしとお母さんみたいな……
お母さん……会いたいな。
きっと、わたしがいなくなって心配しているだろうな。しかも誕生日の前の日に姿を消したなんて……ありえない。残業をした意味がなくなってしまう。
それに、まだ志織の誕プレももらってない。
元の世界に戻れるんだろうか……