蒼の光 × 紫の翼【完】


ここは『ケルビン』って言う国で、わたしたちがいるところは首都の『センタル』。主に山しかないんだって。

首都がなぜ山ばかりかと言うと、敵に攻めこまれないようにするため。争い事は珍しくないそうだ。

年中寒いし雪もしょっちゅう降っているから、格好の隠れ蓑になる。

もっと南に行けば、海だってあるし季節もはっきりとしている。花も咲きみだれているそうだ。

このケルビンは比較的豊かで大きい国なため、生活に不自由している人は少ない。けれど、どの世界にも闇があるらしく、孤児というのは珍しくないらしい。

調子に乗っている大人は多く、望まれずに生まれてきてしまった子供は後をたたない。母子家庭も少なからずあるようだ。わたしとお母さんみたいな……



お母さん……会いたいな。

きっと、わたしがいなくなって心配しているだろうな。しかも誕生日の前の日に姿を消したなんて……ありえない。残業をした意味がなくなってしまう。

それに、まだ志織の誕プレももらってない。

元の世界に戻れるんだろうか……


< 14 / 161 >

この作品をシェア

pagetop